「BMスマートシリーズファームウェア Ver2.4での新機能と主な変更点について」

この項では、本機のファームウェアVer2.4で加わった機能と、改良された点をご紹介します。


1.新機能


〔1〕デイジー再生プログラムの点字フィールド機能

テキストデイジーデータやマルチメディアデイジーデータを閲覧する際の点字表示を修正できるようにする機能です。

本文のテキスト情報を点訳したものを保存し、独立したデータとして管理します。

点字表示の点訳の誤りを修正したり、数式や図表など、不足している情報を補足することができます。

この機能については、 〈点字フィールド機能〉 の項を参照してください。


〔2〕墨点字キャラクタ編集機能

テキスト文書の中に、ユニコードの墨点字キャラクタを挿入できる機能です。

墨点字キャラクタは、点訳単語登録での点字表記の指定にも利用できます。

この機能については、以下の項目を参照してください。

〈ユニコード墨点字の入力〉

〈点訳単語登録〉


〔3〕メモポーズ機能とユックリ再生機能

音声を聞きながらノートを取りたいような場合に便利な2種類の機能を追加しました。

「メモポーズ機能」は、デイジーデータや、オーディオデータの音声を再生中に、点字やテキストで入力すると、自動的に再生が一時停止する機能です。

例えば、デイジーデータを聞きながら点字編集ウィンドウを開いてノートを書き始めると、キリのよい所で自動的にデイジーの再生が止まります。

そして、一通り書き終わると、また自動的に再生が始まります。

「ゆっくり再生機能」は、話速変換で、0.5倍まで3段階の低速再生ができる機能です。

テンポの速い説明を書きとりたい場合の他、語学教材の聞き取り練習などでも利用できます。

これらの機能については、 〈オーディオ再生の設定〉 の項を参照してください。


〔4〕オーディオ入力のモニター機能と録音レベルの調節機能

ボイスレコーダーで録音する時に便利な2種類の機能を追加しました。

「オーディオ入力のモニター機能」は、ヘッドフォンが接続されている時、またはBMスマートAirで外付けマイク端子から他のオーディオ機器の音声を取り込んでいる時、マイクからの音をスピーカーやヘッドフォンでモニターできる機能です。

録音ウィンドウ内の[モニター]ボタンを押すと、マイク入力の再生をオン/オフできます。

「録音レベルの調節機能」は、マイク入力のボリュームレベルを数値で見ながら、録音レベルを調節できる機能です。

これらの機能については、 〈マイクで録音する〉 の項を参照してください。


〔5〕スペースコマンド機能

この機能は、本機に接続したUSBキーボードからの操作を拡張して、スペースキーとフルキーの同時押しにより、カーソル操作や、フォーカス移動などのナビゲーション操作ができるようにするものです。

各キーの単独押しは、通常のキーボードとして使用することができます。

これらの操作は、本機の操作と、点字ディスプレイを通じたPCの操作の両方に有効です。

この機能については、 〈スペースコマンドについて〉 の項を参照してください。


〔6〕点字の練習機能

これから点字を練習したい人、点字と音を結びつけたい人に、日常生活の中で手軽に点字に触れて頂き、早く点字に慣れて頂くための機能です。

点字を触って区別する練習と、日本語の点字の説明、読み書きの練習を中心に構成されています。

この機能については、 〈点字の練習〉 の項を参照してください。


〔7〕タイピングの練習機能

音声を聞きながら、外付けのキーボードでタイピングを練習できる機能です。

この機能については、 〈タイピングの練習〉 の項を参照してください。


〔8〕墨字字形の表示機能

墨字の字形を、点図表示で確認できる機能です。

この機能は、テキスト編集ウィンドウ、および漢字一覧表コマンドから利用できます。

この機能については、 〈字形表示機能〉 の項を参照してください。


〔9〕リバースモードと対面操作モード

「リバースモード」は、本機を通常の向きから180度回転させて、点字表示部が奥になる向きで使用できるモードです。

パソコンを本機の奥に置いたフルキーボードで操作するような場合に、点字をキーボードの近くで読むことができます。

「対面操作モード」は、リバース表示と通常表示を簡単な操作で切り替えながら使えるモードです。

例えば、点字の練習をしている人とサポートする人が、本機を置いたテーブルで向かい合っているような場合に、点字表示の向きを変えながら、同じ情報を共有できます。

また、ホビー機能の将棋盤や、白黒の対戦モードを利用する時も便利です。

この機能については、 〈リバースモードと対面操作モード〉 の項を参照してください。


2.拡張した機能


〔1〕時計プログラム

(1)「時計の設定」に、音声通知の頻度や、ビープ音の有無などを選択できる項目を追加しました。

(2)「アラーム一覧」で、各アラームのオン/オフを、左側のチェックボックスで変更できるようになりました。

この機能については、 〈アラームをセットする〉 の項を参照してください。


〔2〕クイックメモプログラム

(1)マイドキュメントフォルダ内に作られる、クイックメモの文書やフォルダのファイル名が、点字の文書名に連動するようになりました。

(2)クイックメモメニューに、「文書の複写」コマンドを追加しました。

(3)クイックフォルダの階層をまたいだ、文書名検索やキーワード検索ができるようになりました。

この機能については、 〈クイックフォルダ機能について〉 の項を参照してください。


〔3〕点字編集ウィンドウ

(1)点字編集メニューに、「自s動見出し設定」コマンドを追加しました。

また、書式有効の時、「見出し行一覧」の表示にページ数を追加して、目次として使えるようにしました。

(2)前後の字下げ行に移動できるコマンドを用意しました。

対象となる字下げのマス数は、「点字編集の設定」コマンドで選択できます。

(3)現在位置表示で、本文ページ数を確認できるようになりました。

また、「場所を指定して移動」コマンドで、本文ページ数による移動ができるようになりました。

(4)文字読みで、濁音や拗音の1マス目をビープ音で通知する設定を追加しました。

これらの機能については、以下の項目を参照してください。

〈点字編集ウィンドウの使い方〉

〈点字編集ウィンドウの操作一覧〉

〈点字編集の設定〉


〔4〕点字図書閲覧ウィンドウ

(1)見出し行が設定されていないデータを開いた時、マス空けなどのレイアウトから見出し行設定を自動的に追加する機能を用意しました。

また、「見出し行一覧」の表示に巻数やページ数を追加して、目次として使えるようにしました。

(2)点字図書閲覧メニューに、前後の字下げ行に移動できるコマンド、字下げ行一覧コマンドを用意しました。

(3)現在位置表示で、本文ページ数を確認できるようになりました。

これらの機能については、 〈点字図書閲覧プログラムについて〉 の項を参照してください。


〔5〕メディア再生プログラム

メディアデータの再生ウィンドウに、リピート再生のチェックボックスを追加しました。

この機能については、以下の項目を参照してください。

〈メディア再生ウィンドウの使い方〉

〈プレイリスト用メディア再生ウィンドウの使い方〉


〔6〕ボイスレコーダープログラム

オーディオデータの編集ウィンドウに、現在位置から前後のチャプターまで削除するコマンドを追加しました。

この機能については、 〈マイクで録音する〉 の項を参照してください。


〔7〕点字データの送受信プログラム

(1)クリップボード上の文字情報を送受信するボタンを追加しました。

テキスト情報は、点訳して送信されます。

(2)「点字データの送受信」ウィンドウが開いている時、他の編集ウィンドウから、クリップボードの送受信のショートカットが使えるようになりました。

 接続先から受信:コマンドキー+1,3,5の点

 接続先に送信:コマンドキー+2,4,6の点

この機能については、 〈他のBMスマートシリーズ機とクリップボード情報をやり取りする〉 の項を参照してください。


〔8〕点字印刷プログラム

点字印刷の「標準点字プリンタ」設定に、裏ページの見出し行を出力するか否かのオプションを追加しました。


〔9〕ヘッドフォンボリューム設定

ヘッドフォンを接続している時のボリュームを、スピーカーから出力している場合と別に設定できるようになりました。

この機能については、 〈オーディオ再生の設定〉 の項を参照してください。


〔10〕漢字学習支援機能の拡張

テキストの点訳表示に、指定した学年までの漢字を残して表示できる機能を追加しました。

この機能については、 〈漢字学習支援機能について〉 の項を参照してください。


〔11〕モニター用点字ディスプレイ機能の改良

(1)点字表示部のマス数が異なる端末をモニター用点字ディスプレイとして接続した時も、表示のスクロールにより、全ての表示が確認できるようになりました。

(2)モニター用点字ディスプレイ側から、接続元の端末に、クリップボードに登録されている点字情報の送受信ができるようになりました。

この機能については、 〈モニター用点字ディスプレイの接続機能について〉 の項を参照してください。


〔12〕ユーザーモード機能の拡張

(1)ユーザーSDの情報をホーム端末にインポートした後は、別の端末に挿入しても、ログインしないように修正しました。

(2)「全般設定」に、ユーザーモード機能を有効にするか、無効にするかを選択できる機能を追加しました。

(3)「ユーザーSDの設定」コマンドを追加しました。

各機能で、ユーザーSD内の設定を使用するか、端末の設定を使うかを選択できます。


〔13〕ワンタッチ設定コマンドの拡張

(1)ワンタッチ設定のウィンドウに、[このショートカットに名前を付ける]ボタンを追加しました。

付けた名前は、そのワンタッチ設定の適用時にも発声されます。

(2)ワンタッチ設定の一覧内でエンターキーを押すと、選択中の設定を適用できるようになりました。

これらの機能については、 〈ワンタッチ設定機能〉 の項を参照してください。


〔14〕タッチメニュー、ショートカットメニューの修正

(1)コントロールキー+オルトキーでショートカットメニューを開いた時、前回の表示位置から操作を続けられるようになりました。

(2)メニューに、以下の読み上げの操作を追加しました。

 ・現在位置:コマンドキー+1,5,6の点

 ・行読み:コマンドキー+1,4の点

 ・ヘルプ読み:コマンドキー+3,6の点

この機能については、 〈タッチメニューとショートカットメニュー〉 の項を参照してください。


〔15〕新規メモファイル機能の拡張

テキスト編集プログラムや点字編集プログラムで作る新規メモファイルに、分かりやすい名前を付けられるようになりました。

(1)「簡単操作設定」に以下の設定項目を追加しました。

 D13 新規メモファイル機能 標準の名前を使用する,動作を選択する

ここで「動作を選択する」を選ぶと、「テキスト編集の設定」や「点字編集の設定」に、「新規メモファイル機能」の設定項目が追加されます。

この設定により、テキスト編集プログラムや点字編集プログラムの起動時に表示される[新規メモファイルを作成する]ボタンの働きを変更できます。

この機能については、 〈新規メモファイル機能〉 の項を参照してください。


以上