「保護形式文書について」

1.閲覧専用文書とスクラップ帳

ブレイルメモ点字文書形式(.bmt)には、暗号化により内容を保護するための設定、「保護形式」があります。

「保護形式」は、更に、「閲覧専用形式」と「スクラップ帳形式」に分かれます。

「閲覧専用形式」は、著作権保護などの目的で、内容の変更や点字印刷などを禁止している文書です。

一般の文書と異なり、内容を変更することはできません。

また、文書名の変更、点字印刷、外部ディスプレイの利用なども禁止されます。

「閲覧専用文書」には、文書の暗号化を解除する方法の違いにより「一般形式」、「商用配布形式」、「専用形式」の3種類があります。

一般形式 本機に読み込むだけで、そのまま内容を閲覧できます。情報の再配布は自由で、内容の変更などを禁止したい場合に使用します。

商用配布形式 「読者認証処理」という暗号化を解除する手続きを行うことで、閲覧が可能になります。出版元から、暗号化を解除するための鍵となる「読者認証コード」を購入する必要があります。

専用形式 この文書は「読者認証処理」は必要ありませんが、特定のユーザーしか閲覧することができません。

これに対して、スクラップ帳は、ユーザーが個人的な目的で「閲覧専用文書」の内容を引用したり、編集したりするための文書形式です。

この形式の文書には、「閲覧専用文書」の内容を貼り付けたり、内容を再編集したりすることができます。

「必要な所を抜粋しておきたい」、「資料をまとめ直したい」といった目的で利用できます。

ただし、この文書も点字印刷したり、配布したりすることはできません。

(注意)「保護形式」はブレイルメモシリーズ機器独自の機能です。一般の文書をこれらの形式に変換してしまうと、パソコンでの利用はできなくなります。

ブレイルメモ点字文書形式(.bmt)の保護形式は、ファイルのプロパティ表示、およびクイックメモの文書一覧で確認できます。

点字文書の読み込み時に、保護形式の文書(一般形式、専用形式、スクラップ帳)で非暗号化ができなかった時は、文書は開かれません。

ただし、商用配布形式の文書には部分的に暗号化されない「説明ページ」を含められるため、非暗号化できなくても文書が開きます。

(アクセスキーについて)

本機には、それぞれの機械を識別するために「アクセスキー」と呼ばれるID番号が割り振られています。

「専用形式」や「配布形式」の文書では、この「アクセスキー」を使用して、個々の機械を識別します。

「アクセスキー」は非常に大切な情報ですので、万が一の故障などに備えて、紙に書き取っておくなど、確実な方法で管理してください。「アクセスキー」が復旧できなくなると、それまでに購入した文書が閲覧できなくなりますので、充分ご注意ください。

ご使用の機械のアクセスキーを確認するには、「バージョン情報」コマンドをご利用ください。

 メインメニュー → ヘルプ → バージョン情報

2.読者認証処理

この項では、「商用配布形式」の文書を閲覧する方法を説明します。

なお、「一般形式」や「専用形式」の文書は、本機に読み込むと同時に暗号化が解除され、閲覧が可能になりますので、特別な処理は必要ありません。

「商用配布形式」の文書を読むには、読みたい文書のタイトルと、ご使用の機械の「アクセスキー」を伝えて、出版元に購読を申し込みます。

これらの情報は、商品の注文内容になりますので、正確に連絡してください。

すると、「読者認証コード」が書かれた文書(=「読者認証コードリスト」)が提供されます。

この読者認証コードを本機にインストールすることで、商用配布形式の文書を開いた時に、自動的に暗号化が解除されるようになります。

本機に読者認証コードをインストールするには、以下のどちらかの方法を使います。

(1)BMシリーズ機器用ユーティリティ BMTermなどを使って、パソコンから本機に、読者認証コードリストを送信します。

(2)「読者認証コードのインストール」コマンドを実行します。

 メインメニュー → ツール → 読者認証コードのインストール

すると、点字ファイルの選択ウィンドウが開きますので、読者認証コードリストの文書を選択してください。

3.通常文書を保護形式文書に変換する

本機では、通常の点字文書を、閲覧専用形式(一般形式、専用形式)、およびスクラップ帳形式に変換できます(専用形式は、本機のみでの利用になります)。

本機では、商用配布形式への変換はサポートしておりません。

保護形式設定機能は、簡単操作の初期設定では、利用できません。必要な場合は、簡単操作設定、「D11 保護形式設定」を有効にしてください。

通常の点字文書を保護形式に変換するには、以下のように操作します。

(1)変換したい文書を、点字編集プログラム、またはクイックメモで開きます。

(2)次のコマンドを実行します。

 メニュー → データ → 保護形式設定

(3)次の確認のメッセージが表示されますので、エンターキーを押してください。

 「この通常文書を、保護形式に変換しますか?」

(4)変換する保護形式を選択します。次の中から選択し、エンターキーを押してください。

・閲覧専用形式(一般形式)

・閲覧専用形式(専用形式)

・スクラップ帳形式

*スクラップ帳に変換した文書は、通常の文書に戻すことはできませんので、充分ご注意ください。

(5)変換に使用する「保護キー」を指定します。点字6マス~15マスの間で指定してください。

(6)ミスタイプを避けるため、上記の保護キーを、もう一度入力してください。

(7)次のメッセージが表示されます。

 「この文書を、保護形式に変換しました。変更を保存しますか?」

この文書をSDカードやUSBメモリーで管理している場合は、その記憶メディアが接続されていることを確認し、エンターキーを押してください。

以上で、保護形式への変換作業は終了です。

4.保護形式文書を通常文書に戻す

本機では、閲覧専用形式(一般形式、専用形式)の文書を、通常文書に戻すことができます。

この処理を行うには、保護形式への変換の際に指定した「保護キー」が必要になります。

保護形式設定機能は、簡単操作の初期設定では、利用できません。必要な場合は、簡単操作設定、「D11 保護形式設定」を有効にしてください。

保護形式文書の保護を解除するには、以下のように操作します。

(1)変換したい文書を、点字編集プログラム、またはクイックメモで開きます。

(2)次のコマンドを実行します。

 メニュー → データ → 保護形式設定

(3)次の確認のメッセージが表示されますので、エンターキーを押してください。

 「この文書は保護形式に設定されています。保護を解除しますか?」

(4)保護形式への変換の際に指定した「保護キー」を入力します。

(5)次のメッセージが表示されます。

 「この文書を、通常文書に戻しました。変更を保存しますか?」

この文書をSDカードやUSBメモリーで管理している場合は、その記憶メディアが接続されていることを確認し、エンターキーを押してください。

以上で、通常文書への変換作業は終了です。