クリップボードは、本機の中に一つだけある、各種データの一時保管場所で、コピーや移動の操作で使用します。
ここには、テキスト(墨字)や点字の文章、ファイルのリストなどを一件だけ登録しておけます。
クリップボードに次のデータを登録すると、データの種類に関わらず、前のデータは消えてしまいますので、ご注意ください。
クリップボードの使い方や注意点は、パソコンと同じで、以下の通りです。
データを元の場所から、別の場所にコピーするには、次のように操作します。
(1)「元の場所」で、コピーするデータを選択します。
(2)コピーコマンドを実行して、選択したデータをクリップボードに登録します。
(3)「別の場所」を選択します。
(4)貼り付けコマンドを実行して、クリップボード内のデータを挿入します。
コピーと貼り付けのコマンドは、同じデータを扱えるウィンドウであれば、別のプログラムで実行しても構いません。
もし、クリップボードが空だったり、そのウィンドウで処理できないデータが入っている時は、貼り付けコマンドを実行しても、何も起こりません。
また、貼り付けコマンドを実行した後でも、クリップボードにはデータが残っているので、更に別の場所に同じデータをコピーすることもできます。
データを元の場所から、別の場所に移動するには、次のように操作します。
(1)「元の場所」で、移動するデータを選択します。
(2)切り取りコマンドを実行して、選択したデータをクリップボードに登録します。
(3)「別の場所」を選択します。
(4)貼り付けコマンドを実行して、クリップボード内のデータを挿入します。
テキストや点字の文章を移動する場合、切り取りコマンドを実行した時点で、「元の場所」のデータは削除されます。
クリップボードに登録されたデータを目的の場所に貼り付ける前に、電源をオフしたり、別のコピーや切り取りを行うと、移動中の文章がなくなってしまいますので、充分ご注意ください。
なお、テキスト文書からコピーした文章を、点字文書に貼り付けた場合、元の文章を点訳して挿入されます。
ファイルをコピーする場合は、クリップボードに登録したものを何箇所にも貼り付けられますが、ファイルを移動する場合は、一回だけしか貼り付けができません。
同じファイルを別の場所にも貼り付けたい場合は、ファイルの移動後に、改めてファイルのコピー操作をしてください。
ファイルをコピーしたり・移動する場合は、貼り付けコマンドを実行した時に、始めてファイルの読み書きが行われます。
このため、切り取りコマンドを実行しても、貼り付けコマンドを実行しなければ、元の場所のファイルがなくなることはありません。
ただし、貼り付けが終わるまで、元のファイルが入った記憶メディアを取り外すことはできません。
SDカード内のファイルを、別のSDカードにコピーしたい場合などには、注意が必要です。
この場合、まず、ファイルをSDカードから、一時的に、内蔵SDや、USBメモリーなど、別の記憶メディアにコピーします。
その後、目的のSDカードに挿し替えて、一時的なコピー先からSDカードにファイルを移動してください。