このバージョンでは、BMスマートファームウェア Ver2.8.5Aベータ版から次の改良を行いました。
1.デュアルカーソルモードの改良
カーソルを分離してデュアルカーソルを開始する時の操作を修正しました。
これまで、デュアルカーソルを開始する場合と、その後にメインカーソルかサブカーソルを選択してその場所に移動する場合にコマンドキー+レまたはコマンドキー+レ下がりの同じ操作を使用していました。
しかしこれだと既にデュアルカーソルモードに入っていた場合に表示位置が意図しない形で移動してしまうなどの問題があることが分かりました。
そこで、デュアルカーソルを開始する操作を次のように変更しました。
(1)デュアルカーソル開始の操作(これまでの方法から変更)
コマンドキー+フ(1,3,4,6の点)を押した後、続けて次のどちらかの操作をします。
・コマンドキー+レ(1,2,4,5の点)=カーソルを分離して、メインカーソルをアクティブにします。
・コマンドキー+レ下がり(2,3,5,6の点)=カーソルを分離して、サブカーソルをアクティブにします。
1秒以内に続けて操作してください。
この操作により、既にデュアルカーソルを開始していた場合も、メインカーソルとサブカーソルが現在の表示位置に戻ります。
(2)デュアルカーソルの切り替えの操作(これまでと同じ)
・コマンドキー+レ(1,2,4,5の点)=メインカーソルを選択して、その位置に移動します。
・コマンドキー+レ下がり(2,3,5,6の点)=サブカーソルを選択して、その位置に移動します。
(3)デュアルカーソル終了の操作(これまでと同じ)
コマンドキー+フ(1,3,4,6の点)=デュアルカーソルを終了して、通常の状態に戻ります。
ワイドモデルの方向キーでデュアルカーソルを開始する場合は次のように操作します。
左右の方向キーの上下ボタンを押した後、続けて次のどちらかの操作をします。
・左右の方向キーの上ボタンを押す=カーソルを分離して、メインカーソルをアクティブにします。
・左右の方向キーの下ボタンを押す=カーソルを分離して、サブカーソルをアクティブにします。
2.点字編集ウィンドウのリストの編集機能の改良
(1)リストやテーブルのタイトルの指定
各レベルのリストやテーブルで、最初の要素が見出し行に設定されている時、その要素の内容をリストまたはテーブルのタイトルとして扱うようにしました。
タイトルが設定されている場合、表示ウィンドウの説明覧にそのリストまたはテーブルのタイトルと要素数が表示されます。
また、データ内検索の結果表示でも、見つかった要素のタイトルを表示するようにしました。
なお、要素を見出し行に設定するには、その要素の所でコマンドキー+3,4,5の点を押します。
(2)既存の要素の複数行編集操作の修正
既存の要素の所でスペースキー+エンターキーを押すと、複数行の編集ボックスが開いてその要素の内容を編集できます。
この状態からオルトキー+矢印キーの操作で別の要素に移動した場合は、移動先の要素の内容に関わらず複数行の編集ボックスが開くようにしました。
なお、要素の複数行編集を終了するにはオルトキー+エンターキーを押します。
(3)新規要素の複数行編集操作の追加
次の操作を追加しました。
・コントロールキー+スペースキー+エンターキー=今の要素の下に行を挿入して、新しい要素を複数行で編集します。
・セレクトキー+スペースキー+エンターキー=今の要素の右に列を挿入して、新しい要素を複数行で編集します。
(4)点字データを行区切りのテーブルとして貼り付けるコマンドの追加
次のコマンドを追加しました。
リストの編集メニュー → 編集 → 点字データの貼り付け → 行区切りのテーブルとして貼り付け
このコマンドは、クリップボード内の点字データを次のようなテーブルデータとして貼り付けます。
・空行で区切られた範囲をテーブルの1行とみなし、その中の各行をテーブルの要素として左端から順に配置します。
・この貼り付け機能を利用する場合、空行と空行の間は列の最大値=26行以内である必要があります。
3.要素間のリンク機能
リストの編集機能に、要素間のリンク機能を追加しました。
(1)リンクの設定方法
デュアルカーソルモードを利用した次の操作で要素間にリンクを設定します。
・サブカーソルをリンク先の要素に移動します。
・メインカーソルをリンク元の要素に移動します。
・ここでコマンドキー+レ(1,2,4,5の点)を連続押しします。
0.5秒以内に2回押すと、メインカーソル位置の要素にサブカーソル位置の要素へのリンクが設定されます。
(2)リンクが設定されている要素の表示
要素にリンクが設定されると、リレーションマークのマスに次の点が追加されます。
・1の点=その要素にリンクが設定されていることを示します。
・4の点=同じ行のその他の要素にリンクが設定されていることを示します。
(リレーションマークは点字表示部の端のマスで、8の点がブリンクしています。)
また、リンクが設定されている行にカーソルを移動した時にリンクの件数を読み上げます。
(3)リンク先へのジャンプ
リンク先にジャンプするには、次のいずれかの操作をします。
・その要素にリンクが設定されている場合、リレーションマークのマスをダブルクリックすることでリンク先にジャンプします。
そのマスのタッチカーソルを0.5秒以内に2回押してください。
行内の別の要素にリンクがある場合は、下記の「この行のリンク一覧」が表示されます。
・その行の要素にリンクが設定されている場合、コントロールキー+スペースキーの操作で「この行のリンク一覧」が開きます。
一覧の各行には、右矢印をはさんで、リンク元とリンク先の要素の内容が表示されます。
この行でスペースキーかタッチカーソルキーを押すと、リンク先にジャンプできます。
デリートキーを押すとそのリンクを削除できます。
その要素に子要素がない場合は、次のようにエンターキーをリンクの操作に利用できます。
・リンクが設定されている要素の所でエンターキーを押すと、リンク先にジャンプします。
・行内の別の要素にリンクがある場合は、「この行のリンク一覧」が表示されます。
(4)リンクの一覧表示コマンド
次のコマンドを用意しました。
リストの編集メニュー → 編集 →
リスト・テーブル内のリンク一覧
このデータ内のリンク一覧
一覧表示内での操作方法は上記の「この行のリンク一覧」での操作と同じです。
〔ご注意〕要素間のリンクの情報を保存するために、点字データ内でのリストの記載方法を拡張しています。
このため、以前のバージョンのファームウェアではリンクを含むリストデータを正しく開くことができません。
データの互換性が必要な場合は、あらかじめ「このデータ内のリンク一覧」を開いてリンク情報を削除してください。
〔リスト内のリンクのサンプル〕
リスト内のリンク機能のサンプルとして、「リンクのサンプル―東京と大阪の地下鉄」を用意しました。
このサンプルでは、リスト内のリンク機能を使って東京と大阪の地下鉄路線を二つのリストに表現しています。
それぞれのリストの構成は共に同じで、次のようになっています。
(第1レベル)路線名
(第2レベル)路線ごとの駅名一覧
駅名一覧には近日開業予定の区間が含まれています。
(3)複数の路線に共通する駅は、2列目以降に他の路線へのリンクが設定されています。
(操作方法)
(1)それぞれのリストの行でタッチカーソルを2回連続押しすると、リストの編集ウィンドウが開き第1レベルのリストが表示されます。
(2)上下矢印キーで目的の路線を選択してエンターキーを押すと第2レベルのテーブルが開きます。
(3)上下矢印キーで移動すると、その路線の駅名が順に表示されます。
(4)リンクの件数を読む行で右矢印キーを押すと、その駅を通る別の路線名が表示されます。
これらの路線名の要素にはリンクが設定されているので、エンターキーを押すとその路線のリストにジャンプできます。
このサンプルは、トピックヘルプのベータ版リリース情報の項目から開くことができます。
以上