このバージョンでは、BMスマートファームウェア Ver2.8.2ベータ版の点字テーブル機能に次の改良を行いました。
1.将棋の棋譜の点訳で使用される記号を読み上げるためのテーブル Syougi.bmt を追加しました。
\sdmemory\BrlTable\Syougi.bmt
このデータは、以下の点字資料を元に作成しています。 「将棋棋譜の点字表記(加藤秀雄式)」
2.上記の点字記号を表現するために、点字テーブルの書き方を以下のように拡張しました。
将棋の棋譜では、マス空けで区切られた単語内に以下の要素を順に指定します。
(A)駒の位置(11~99、先手は下がり数字、後手は数字の点字を使用)
(B)駒の種類を表す点字(歩将と玉将は、先手と後手で別の点字を使用)
(C)成る、成らず、寄るなどの付加情報を表す点字
また、指し手の場合は、(A)の前に指し手符(4,5,6の点)を書き、この場合は鍵括弧などに続けて最初の指し手が書かれる場合もあるようです。
指し手が前の手と同じマスの場合は、マスの番号の代りに「同」の記号(先手 3,6の点、後手 2,3,6の点)を使います。
そこで、点字テーブルでは、これらの記号の使用順序をマス空けによる階層で次のように表現しました。
(単語頭)
(A)
(B)
(C)
(任意)
指し手符+(A)
(反復)
「同」
(B)
(C)
- (単語頭)は行頭またはマス空けの後、(任意)はどこでも使用可能な記号類であることを表します。
- それらに続く記号類は、同じ字下げの行を同じグループとして、字下げ幅が多くなる順序で使用可能です。
- 同じグループの記号は一度に一つずつ使用可能ですが、(反復)の後に書かれた記号は、同じグループ内で重複して使えます。
これにより、次の両方の使用順が許容できます。
(指し手符)同玉将
(指し手符)2二同玉将 - 項目の属性を表すキーワードとして、次の5種類を用意しています。
(任意)=どこでも使用可能な記号
(行頭)=各行の1マス目、または行頭字下げの直後に使用可能な記号
(文頭)=行頭、または2マス空けの直後に使用可能な記号
(単語頭)=文頭、またはマス空けの直後に使用可能な記号
(単語内)=マス空け以外の点字の直後に使用可能な記号 - 上記のように、将棋の棋譜の点字は一般の日本語点字表記となるべく重ならないように工夫されています。
- そこで、点字テーブル内に次の行を指定することで、点字テーブルで指定されていない点字を点字テーブルで指定した点字と共存させられるようにしました。
「不一致文字を残す」
「ある」や「いる」のような一部の日本語点字は正しく読めなくなりますので、その場合は、「点字テーブルのオン/オフ」コマンドで切り替えながらお読みください。
3.ブレイルメモ点字計式に加えて、BES形式やBET形式の点字文書にも点字テーブルを適用できるようにしました。
改良は以上です。
お試しになりたい場合は、お持ちの機種にあわせて下記よりダウンロードお願い致します。