このバージョンでは、BMスマートファームウェア Ver2.6.1E ベータ版から、以下の変更を行っています。
1.パスワード付き点字ファイル機能の追加
(1)秘密にしたい情報を含む点字文書をネットワークなどで共有できるようにするために、BMTX形式のファイルをパスワードで保護できる機能を追加しました。
パスワード付きBMTXファイルは、BMスマートAirおよびBMスマートのファームウェア Ver2.6.2以降で利用できます。
(2)点字文書をこの形式で保存するには、点字編集プログラムの以下のコマンドを実行します。
メニュー → ファイル → パスワード付きBMTXファイルの作成
このコマンドは、編集中の文書をパスワード付きの暗号化形式に変換して、指定した名前のBMTXファイルに保存します。
パスワードは3文字以上、15文字以下のテキストで指定してください。
(3)この形式のファイルをファイル選択ウィンドウやフォルダウィンドウで選択すると、パスワードの入力ボックスが開きます。
ここに正しいパスワードを入力してエンターキーを押すと、ファイルが開きます。
ファイルを開いた後は自由な編集が可能な通常文書に戻ります。
ただし、元のファイルに上書き保存した場合は、パスワードを維持したままファイルの内容を更新します。
通常の点字ファイルとして保存するには、「名前を付けて保存」コマンドを使います。
(4)パスワード付きBMTXファイルを作成した端末では、指定されたパスワードの他に、半角小文字の”owner”とアクセスキー10桁の15文字でもファイルを開くことができます。
設定したパスワードを忘れてしまった時などには、この方法をご利用ください。
他の端末では、この方法でファイルを開くことはできません。
(5)パスワード付きBMTXファイルは、パスワードを設定した端末および最後にデータを更新した端末のアクセスキーをファイルのプロパティで確認できます。
2.リストの編集機能の改良
点字編集ウィンドウのリストの編集機能に以下の改良を行いました。
- 編集環境の改良
- テーブル内のインデックス番号の表示で、行番号を下がり数字にして列番号の大文字符を省略しました。
リスト項目の番号は通常の数字で表示されます。 - ステータスを左側に表示する場合、リレーションマークの表示位置を1マス目に移動して、開閉により位置が変わらないようにしました。
- コマンドキーと、3の点/2の点、コマンドキーと5の点/6の点で、それぞれ左右矢印キーの移動操作ができるようにしました。
- 範囲選択してシフトキーを離した時に、選択内容を読み上げるようにしました。
- テーブル内のインデックス番号の表示で、行番号を下がり数字にして列番号の大文字符を省略しました。
- 数値・日付による検索・行の絞り込み
- 数値を検索する場合は、1.0~5.0のように波線(3,6の点2マス)の前後に数値を書いて範囲を指定します。
範囲の最小値、最大値はそれぞれ省略可能です。 - 日付を検索する場合は、波線(3,6の点2マス)の前後に日付を書いて検索する期間を指定します。
日付は、数符の後に月を下がり数字で書き、続けて日の数字を書きます。
検索対象は、データ内に書かれた日付、または期間の要素です。
データ内に期間を書く時は、開始日付~終了日付のように書いてください。
- 数値を検索する場合は、1.0~5.0のように波線(3,6の点2マス)の前後に数値を書いて範囲を指定します。
- 行の並べ替えコマンド
次のコマンドを追加しました。
メニュー → 並べ替え →
式の値 昇り順
式の値 降り順
表示中の列に書かれた数値・式の値で並べ替えます。
文字列・番号 昇り順
文字列・番号 降り順
表示中の列の文字列順で並べ替えますが、文字列中の番号は値順に整列します。 - 簡易集計コマンド
選択範囲内の数値/数式を集計するコマンドを追加しました。
ツール → 簡易集計 (ショートカット:コントロールキー+K)
集計したい範囲を選択してこのコマンドを実行すると、次の情報が表示されます。
数値が指定されている要素数、合計、最小値/最大値、平均、分散、標準偏差 - 点字データの貼り付けコマンド
リストやテーブルに点字データを貼り付けるための専用のコマンドを用意しました。
メニュー → 編集 → 点字データの貼り付け →
点字データをリストとして貼り付け
点字データを1行1要素のリストとして貼り付けます。
点字データを階層リストとして貼り付け
点字データを行頭2マス空けで表された階層リストとして貼り付けます。
点字データをテーブルとして貼り付け
点字データを要素間2マス空けのテーブルとして貼り付けます。
3.その他の修正点
(1)BMスマートAirでACアダプタを着脱した時に、バッテリーの残量、充電状態を発声するようにしました。
ただし、全般設定の「音声ガイドのレベル」が「シンプル」の時は、この読み上げは省略されます。
(2)新規点字文書の作成で拡張子を省略した場合、.bmtxを標準のファイル形式に設定していても.bmtファイルが生成されてしまう問題を修正しました。
(3)テキスト文を点字編集に貼り付けた時の空白文字からマス空けへの変換を調整しました。
- 全角スペースは、行頭は2マス空け、文中は1マス空けになります。
- 半角スペースは、行頭文中共に1マス空けになります。
- タブキャラクタは、行頭文中共に2マス空けになります。
(4)点字編集とテキスト編集のツリー型集計に、標準偏差の出力機能を追加しました。
ツリー型集計の設定
行集計、列集計、合計
標準偏差 オフ,標本標準偏差,不偏標準偏差