田島 あづさ 様
使用機器:ブレイルメモスマート16
使用内容:点字の練習
ユーザーの方々にケージーエス製品の活用方法を語っていただく『コラム「ケージーエス製品 私はこう使う!」』
ブレイルメモスマートは、それ以前のブレイルメモに比べ、音声ガイダンスが搭載されたことにより、点字が苦手な方や、点字を習いたての方々にも御購入いただいております。
さて、今回は点字を勉強中の、中途失明の方のお話です。ブレイルメモスマートの音声を聞きながら、点字の勉強を行っております。
点字の勉強のためにブレイルメモスマート16を購入しました。
20代の頃に緑内障と診断され、そこから徐々に視力が落ちてゆき、2009年頃のある日、急に目が眩しくなり、外が歩けない状態になりました。
今は右目がまったく見えず、左目は全体の5%程度だけ視野が残っています。
目が見えなくなって間もない頃は、補助制度や当事者団体など、どんなものがあるのか全く知りませんでした。
内科で通院していた東京女子医科大学病院に「相談窓口」があったので、そこで聞いてみると、1週間程で調べて下さり、北埼玉障害者生活支援センターを紹介してくれました。北埼玉障害者生活支援センターへ電話すると、自宅に担当の方が来てくれて、障害者手帳の取り方から、利用できるサービスや補助制度について教えてくれました。そのなかで、埼玉県視覚障害者福祉協会(以下、埼視協)についても、その時初めて知り、入会しました。
点字については、晴眼者向けの点字教室に行ったりして、何度か勉強しましたが、点字がわからなくても、音声などで情報を得ることができたため、そこまで必要性を感じていませんでした。
しかし、ある日、ヘルパーさんと東京女子医科大学病院に行ったとき、新宿駅の階段の手すりに点字が打刻されていることに気が付きました。そこで、点字を読むことができれば、どこ行きの階段なのか確認できたり、駅構内の触図案内板を読んで、単独で駅構内を移動できるようになるんじゃないかと思い、再び点字への興味が湧きました。
そう考えている内に、埼視協の会員向けのブレイルメモ体験会が開催されて、そこで初めてブレイルメモスマートを知りました。
当時、点筆で点字を書くことが苦手で、腕が痛くなったり、思ったように点を打つことができませんでした。体験会でブレイルメモスマートに触れたとき、「6点キー入力なら腕が痛くならないし、私でも点を打てる」と思い、点字勉強のためにブレイルメモスマート16(以下、ブレイルメモスマート)を購入しました。
楽しく点字入力の練習ができています。
点字の勉強方法として、最初はクイックメモに山手線沿線の駅名を「山手線ゲーム」のように点字で記入し続けたり、花の名前をひたすら書いたりしていましたが、今は歌の歌詞を点字で書き写すことで、書く練習をしています。歌の歌詞は自分で見て読めるように、太字で大きく印刷してもらい、それを見ながら点字入力をしています。自分の知っている歌の歌詞なので、「あいうえお」とかを書いていくのに比べると、つまらなくならず、楽しく点字入力の練習ができています。
わからない点字があると、大きな文字で書いた自作の五十音表を確認しながら、打っています。まだまだ慣れないけれど、だんだん点字を打てるようになってきていると思うので、ゆっくりでもいいから、五十音表を見ないで点字を打てるようになることが今の目標です。
ブレイルメモスマートは音声が出るので、間違ったところをすぐに確認できます。点字入力をしていくなかで、打った文字と同じ音声が鳴れば安心ですし、違っていると「どこが違った?」とその場で振り返りができます。
また、点字を読む練習も最近始めました。自分の書いた歌詞のデータを呼び出して、読んでいます。そのおかげで、先日の選挙のときに、入場券に書かれていた「入場券」という点字を、なんとか読むことができました。
文章を読むことまでは、まだ望んでいないんですが、短い単語がもっとすんなり読めるように、今後も点字の練習をしていきたいです。