毎日新聞社 岩下 恭士 様
使用機器:OrCam MyEye 2
使用内容:オフィスでの郵便物の確認
ユーザーの方々にケージーエス製品の活用方法を語っていただく『コラム「ケージーエス製品 私はこう使う!」』
今回のコラムは、話題の新製品「OrCam MyEye 2」(以下、OrCam MyEye)の登場です。メガネのつるに装着する小型デバイスで、目の前の墨字情報を音声で読み上げてくれる一品です。
気になる使い方や、使い勝手を是非、お確かめください。
一番便利に使っているのは、郵便物の確認です。
日本でリリースされる前から、インターネットでこのOrCam MyEyeが欧米で人気を呼んでいることを知り、日本での購入を待ち望んでいました。
私は10歳の頃に失明しており、以前からOrCam MyEyeのような、目の前にある墨字情報を読み上げくれるものがあればいいなと、思っていました。似たような国産のメガネ型デバイスがありますが、ディスレクシアの方向けなので、音声ガイドなどの、視覚障害者向け機能がありませんでした。それに対し、OrCam MyEyeは電池残量など、音声案内が手厚いので、安心です。
一番便利に使っているのは、郵便物の確認です。
記者をしていると、仕事柄、毎日多くのプレスリリースが郵便物として手元に届きます。
もちろん、スタッフに見てもらうこともできますが、やっぱり自分で確認したいじゃないですか。
どこから来た資料なのか、宛名だけでも読むことができれば、いる・いらないの区別ができるので、便利に使用しています。
その他にも、本のタイトルをOrCam MyEyeに読ませながら、書籍の整理をしたりしています。人の手を借りずにできるということがいいですね。
見ることができないので、郵便物を読ませるときに上下逆さまになってしまうことがありますが、そう読ませたとしても、「上下が逆になっています」というようにアナウンスしてくれるため、とても助かります。
他にも、「フレームにキチンと文字が入っていません。頭を少し右に傾けて、再度読み込んでください。」というような音声指示が、要所要所でアナウンスされます。音声指示に従えば良いので、重宝しています。
「自動ページ認識設定」という機能を有効にしています。
購入時の設定では、文字をOrCam MyEyeに認識させるのに指差しのジェスチャーをしたり、側面のタッチパネルをタップする必要があります。私の場合は、設定を変更して「自動ページ認識設定」という機能を有効にしています。この機能を有効にすると、目の前の読みたい物を数秒間見つめれば、音声読み上げを開始してくれます。いつもこの機能を利用して、郵便物を見たりしています。
自動ページ認識設定を有効にしていると、自分から情報を取りにいくのではなく、情報が向こうからやってきてくれるので、自分では気付かない電車内の掲示物等も読み上げてくれますし、自分では知り得なかった発見もあります。
仕事以外では、食品のパッケージを読ませたりしています。例えば、「レトルトカレ-」を読ませた際には、作り方など、しっかり読んでくれました。箱に入っている物だと、何が何なのかわからなくなってしまうことがあるので、物の判別もできていいです。
文字を読みたいときに、OrCam MyEye以外の手段として、「iPhoneのOCRアプリを使用する」というのもありますが、実際に使用して比べてみると、アプリの場合は「iPhoneのロックを解除して、アプリを起動させて…」というように手順が複数あります。
OrCam MyEyeはスリープにしておけば、すぐに立ち上がって使用できるので、断然OrCam MyEyeの方が楽に感じています。そのため、ほとんど電源は入れておいた状態にしているので、バッテリー切れだけが心配です。いつバッテリーが切れてもいいように、常時モバイルバッテリーを携帯して、いつでも充電ができるようにしています。
現状でも便利に使用していますが、その反面、バッテリーの持ち時間や、顔認証機能がまだ日本人に対応していなかったりと、課題はありますので、今後のファームウェアのバージョンアップで課題解決できることを願っています。