お知らせ

「ケージーエス製品 私はこう使う!」第33回

2018.11.12

社会福祉法人 日本盲人職能開発センター 様
使用機器:立体コピー作成機 PIAF
使用内容:パソコン指導教材の作成

社会福祉法人 日本盲人職能開発センター 様 の写真
社会福祉法人 日本盲人職能開発センター 様 東京ワークショップ

ユーザーの方々にケージーエス製品の活用方法を語っていただく『コラム「ケージーエス製品 私はこう使う!」』

今回は久々の登場、立体コピー作成機PIAF(以下、PIAF)についてです。
就労のために、パソコンを勉強されている方は全国でも多くいらっしゃると思います。
同様に、その支援をされている方も多くいらっしゃいますよね。
今回は、特にそのような方々に読んでいただけると嬉しいです。

日本盲人職能開発センターでは、PIAFをパソコン指導のための教材作成に利用されております。その様子を伺って参りましたのでご覧ください。

PIAFで膨らませ、立体にすることでレイアウトの確認ができています。

本センターは「就労を目標とした視覚障害者」への就労支援施設です。

就労支援の事業は大きく分けて、「就労移行支援」・「就労継続支援B型」・「就労定着支援」・「東京障害者職業能力開発校からの委託事業」の4つに分かれています。

「就労継続支援B型」の方には、テープ起こしなどの作業を実際に仕事として、行ってもらっています。

また、「就労移行支援」はさらに、「基礎コース」・「応用コース」・「ビジネスワークコース」・「速記コース」の4つのコースに分かれています。

PIAFは特に「就労移行支援」の「基礎コース」と「応用コース」で使用しています。

この「基礎コース」と「応用コース」では、パソコンの使い方を勉強しますが、「Word」や「Excel」等のオフィスソフトの授業にて、パソコンの画面構成やグラフ等の説明をする際に、PIAFで作成した資料を使って教えています。

特にグラフの説明をするときは、『縦棒グラフ』や『折れ線グラフ』などと口頭で形を伝えても、イメージしにくいので、PIAFで膨らませたグラフを実際に触ってもらっています。

実際に使用しているグラフの触図の写真
実際に使用しているグラフの触図

また、「Word」の使い方の授業では、「右寄せ」などの、ビジネス文章のレイアウトを教えます。この際も、晴眼の方であれば、完成した文章を目で見て確かめるところですが、PIAFで膨らませて立体にすることで、レイアウトの確認ができます。
例えば、同じく「Word」ならではの「均等割り付け」などの機能を教えるときも、中途失明の方であれば、見えていた頃の経験でイメージできますが、そうでない方にイメージしてもらうのには、PIAFでの立体コピーが一番便利ですね。

資料として利用者さん一人一人にお渡しできるので、とても好評です。

基礎コースでは「Word」と「Excel」を教えますが、応用コースでは「PowerPoint」や「Access」も教えています。「PowerPoint」や「Access」の場合、まず初めに画面構成を教えることから始めます。

画面構成を初めに教えることで、画面のイメージを持った状態で操作を教わることができ、後の応用の際にも、予測を立てて操作できると思っています。

立体コピーにするため、実際の「Access」の画面全体をキャプチャーしますが、キャプチャーした画像をそのまま立体化すると、情報量が多すぎてしまいます。そこで、画面全体の立体コピーの他に、一部分だけを拡大した立体コピーも用意してわかりやすくしています。

「Access」の画面全体の触図の写真
「Access」の画面全体の触図

利用者の皆さんが「わからない」と言うたびに立体コピーを作成しています。
資料として利用者さん一人一人にお渡しできるので、とても好評です。

立体コピーだと利用者さんに触ってもらい、一目瞭然で理解してもらえる

最近では、立体コピーを使った教材作成にも慣れてきて、簡単に作ることができますが、オフィスのソフト自体、最新の物は色使いが薄くなっており、うまく膨らまないことがあります。そのようなときは、膨らませる前に、印刷の薄い部分をボールペンでなぞって膨らむように工夫しています。

他にも、「Excel」の積み上げ縦棒グラフの色がデフォルトで淡い色に設定されており、積み上げの境目がわかりにくいことがあります。その際はグラフの設定で、白や黒など、違いがわかりやすい配色に変更します。

PIAF導入以前は、例えば、「PowerPoint」の画面全体をキャプチャーした画像を印刷した紙の上に、細かく切った厚紙を要所要所に貼って、手作りの触図を作成していました。
これでは資料の作成に手間がかかるので、大量に作ることができませんでした。
また、情報量の多い画面に関しては、資料の作成自体が困難でした。

自作された触図の写真。PIAF購入前は触図を自作していました。
PIAF購入前は触図を自作していました。

パソコンの画面には、言葉で言い表せない所がいっぱいあります。
立体コピーだと利用者さんに触ってもらい、一目瞭然で理解してもらえるので、とても重宝しています。