お知らせ

「ケージーエス製品 私はこう使う!」第24回

2018.02.13

柳田 友和 様
使用機器:点字ラベラーBL-1000
使用内容:当事者による日常生活での利用

柳田 友和 様 の写真
柳田 友和 様

ユーザーの方々にケージーエス製品の活用方法を語っていただく『コラム「ケージーエス製品 私はこう使う!」』

今回は点字ラベラーBL-1000です。
これまでBL-1000の記事は会社や施設、市役所の事例を取り上げてきましたが、今回は初めて視覚障害者個人での利用方法をご紹介します。
日常生活での使用事例になりますので、ぜひ参考にしてみてください

購入するキッカケとなったのは、CDケースへ点字ラベルを貼るためでした

今では日常生活の様々な用途に、BL-1000の点字ラベルを利用していますが、BL-1000を購入するキッカケとなったのは、CDケースへ点字ラベルを貼るためでした。

私はクラシック音楽を聞くことが好きで、CDを何百枚も持っていました。
このCDケースに点字ラベルを貼ることでCDを管理しようと思いました。

最初は、タックロールに点筆でガシガシと手打ちしていましたが、1枚のCDを仕上げるのに5分以上も時間がかかってしまいました。というのも、クラシックのCDの場合、まずタイトルが長いんですね。例えば「モーツアルト交響曲全集」というCDがあるとして、これを点字にすると、それだけで長くなってしまう。またクラシックの場合、指揮者や演奏している楽団の名前が大事ですので、これも点字で書く必要があります。さらに指揮者の名前がアルファベット表示の場合、スペルを確かめ、略字表記に直してあげる必要があります。
これらを手作業で行うのはかなりの負担です。実際、3時間手打ち作業をしたところで、ついに点筆を投げ出してしまいました。
点字ラベルが打てる機械はないかと友人に相談したところ、キングジム製の「点字テプラ」とケージーエスの「点字ラベラーBL-1000」があると言われました。「点字テプラ」は以前利用したことがあり、1枚の点字ラベルを作るのに手間がかかってしまい使いにくいという印象があったため、少し高いですが、ちょっと奮発して「点字ラベラーBL-1000」を購入し、無事CDに点字ラベルを貼ることできました。

その後も様々な用途にBL-1000を利用しています

購入のキッカケはCDのラベリングのためでしたが、その後も様々な用途にBL-1000を利用しています。例えば、カプセルコーヒー(カプセルコーヒー:カプセルに入ったコーヒーを専用マシンにセットして、ボタンひとつで本格的な美味しいコーヒーを淹れることができるコーヒーメーカー。)のカプセルをネット注文します。
カプセルコーヒーには、数種類のフレーバーがありますが、どれを購入しても同じ大きさ、同じ形の梱包箱で届きます。おそらく、梱包箱には写真や墨字で、どのフレーバーのカプセルが入っているか書いてあるのでしょうが、それを読むことができないので、注文したカプセルが届いたら直ぐに、パソコンのバーコードリーダーで中身を確認し、BL-1000で箱の中身のフレーバーを点字表記します。この処理をしないと、どれがどれだかわからなくなってしまいます。

カプセルコーヒーの箱に「レギュラー」と印字した点字ラベル。引き出しにいれたまま点字を読みやすいように、あえて逆向きに貼付。
箱に「レギュラー」と印字。引き出しにいれたまま点字を読みやすいように、あえて逆向きに貼付

他にも、料理に使う調味料の入れ物も、同じような形で紛らわしい物があるので、例えば「塩コショウ」と「片栗粉」がわかるように、容器の上に点字ラベルを貼ったり、薬の管理として、処方された薬をジップロックに移して、ジップロックの上から薬の内容を書いた点字ラベルを貼って、直ぐわかるようにしています。
ラベルの内容は、自分がわかればいいので、正確に全て記載するのではなく、レトルトカレーの箱には「カレー」だったり、ほうれん草のポタージュのインスタントスープの箱には「ほうれん草」など、短くまとめて表記しています。
また、美味しい物を買ってきたときに、人に食べられないように「食べるな」と点字ラベルを貼って冷蔵庫に入れたりもしています。

似た形をした調味料の容器の写真
同じような形で別の調味料の容器が意外とある
「塩コショウ」(左)、「片栗粉」(右)とラベルすることで判別
左「塩コショウ」、右「片栗粉」とラベルすることで判別

私にとって、BL-1000は小さい点字プリンターです

結局「この機械は何だろう」と思うと、BL-1000はすでに只のラベラーの域を超えている気がします。私にとって、BL-1000は小さい点字プリンターです。ちょっとしたことを伝えたいとき、例えば「どこそこに行く」と書いて、相手のわかるところに貼ってしまえばいいんです。
点字テプラは、すでに手放してしまいましたが、まだBL-1000が我が家にあるということは、視覚障害者にとってBL-1000のほうが使いやすいのだと思います。

いつでも点字ラベルを作れるように、常にパソコンと接続されている点字ラベラーの写真
つねにパソコンと接続されていて、いつでも点字ラベルを作れるようになっている