小池上 惇 様
使用機器:ブレイルメモスマート16
使用内容:ブレイルメモスマートでの漢点字利用
あけましておめでとうございます。
今年もケージーエス製品の魅力を沢山伝えられたらと思います。
ユーザーの方々にケージーエス製品の活用方法を語っていただく『コラム「ケージーエス製品 私はこう使う!」』
皆さんは「漢点字」をご存知でしょうか。
通常の6点点字ではなく、8点式で漢字を表す点字の手法の一つですが、ブレイルメモシリーズは8点点字を出すことができるため、以前よりこの「漢点字」に対応してきました。
今回は、そんな漢点字の世界をのぞいて見ていただきたいと思います。
場面にあわせて漢点字を利用しています
ブレイルメモスマートの設定を変更し、漢点字を表示させています。
そもそも「漢点字」とは、点字で漢字を表現する符号のひとつです。
普通の点字は6点ですが、「1の点」と「4の点」の上に点を追加して8点を使用します。
「1の点」の上が「始点」、「4の点」の上が「終点」と言い、始点を含んだ字から終点を含んだ字までが漢字一字となります。
1 | 4 |
2 | 5 |
3 | 6 |
始点 | 終点 |
1 | 4 |
2 | 5 |
3 | 6 |
漢点字を使うと漢字とカナの区別がつけ易いと、知り合いに教えてもらい、昭和61年より、漢点字を習い始めました。
ブレイルメモスマートには、点字入力と、点字表示の設定に「漢点字を利用する」の項目があるので、この設定をオン/オフと切り替えて、場面にあわせて漢点字を利用しています。
普段は設定をオフにして利用していますが、漢点字が必要な場面がきたらオンに切り替えています。
我々が漢字を知る良い方法
漢点字を利用する場面としましては、テキストDAISYを読む際に利用しています。
テキストDAISYで東洋医学の書籍を読む際に、音声だけで聞いていても分からない箇所があります。音声で聞いていて分からなくなると、音声を止め、漢点字で表示させます。そうすることで、経穴の名前などを正しく理解することができます。
また、講習会に参加した際に主催者側が、参加者名簿のデータを出してくれますが、漢点字で読むことで、参加者の名前がどんな漢字か分かるので、わざわざ「どんな漢字を書きますか」と聞かなくてすみます。
視覚障害を持っていると、どうしても漢字を音で判断しなければなりませんが、漢点字を利用することで漢字を判別できることは、便利だと思います。
昔、教職についていたころ、授業中、生徒に「この漢字はどう書くのか」と聞かれたりしましたが、そんなときも、ブレイルメモ(当時ブレイルメモポケット)に入れておいた漢点字のノートを読むことで、直ぐに生徒の質問にも答えることができました。
漢点字を使っている人はあまり多くありませんが、我々が漢字を知る良い方法だと思っています。