TEAM MASA 田山司晃様、石川恵理様
使用機器:立体コピー作成機PIAF
使用用途:触察資料(触図)づくり
ユーザーの方々にケージーエス製品の活用方法を語っていただく『コラム「ケージーエス製品 私はこう使う!」』
2回目となる今回は茨城県は水戸市にある常磐大学の研究チームが、立体コピー作製機PIAF(ピアフ)を使って触図作りをしている様子をお伝えいたします。
立体コピー作製機PIAFは、カプセルペーパーと呼ばれる専用用紙に黒く印刷した箇所を膨らませて触図を作製する機器です。
一緒になって話題を共有してもらえるように
TEAM MASAは常磐大学コミュニティ振興学部 中村ゼミの学生/卒業生が集まり、立体コピー作成機PIAFでの触察資料(触図)づくりを行っています。
作品として「さわれる顔の表情(喜怒哀楽)」、「さわれる天体写真」、「さわれるカブトムシ・クワガタムシ図鑑」や、山梨県立博物館の協力の下で作成した「さわれる冨嶽三十六景」といった通常ではさわる事のできない物を、さわって楽しんでもらえるように資料作成し、全国各地にて展示会を開催しています。
全体のコンセプトとしては、視覚障害者1人で見るのではなく、眼の見えている人と一緒に見ることを想定していて、1つの資料で、みんなが一緒になって話題を共有してもらえるように心がけています。そのために、晴眼の方も『見て楽しめる、さわって楽しめる』ようになっています。
資料作成にあたっては、作品の雰囲気や個性を残すことを念頭においており、なるべく簡略化させずに、あくまでもより本物に近づける努力をしています。
しかし、そうすると全体の情報量が多くなりすぎてしまい、さわっても分からなくなってしまいます。さわって分かるようにするために、情報を分割して提示することで、全体の情報をさわって理解してもらうようにしています。
「さわれるんだ」と思ってもらえるように
現状として絵画や写真に触る文化がないので、晴眼者・視覚障害者問わず作品に触ることへの抵抗感が強いと感じることがあります。これは回数を重ねて「さわれるんだ」と思ってもらえるよう努力をすると同時に、もっと触ってわかりやすい物を開発していく必要があると思っています。